そろそろ復帰の準備

さて、有名なロシア文学の「罪と罰」。「社会」をテーマとして綴るトルストイとは対照的に、ドストエフスキーはとことん人の心の内面に迫ろうとする。ヘッセの「春の嵐(ゲルトルート)」や、「デミアン」の後半なんかが好きな人だったら、多分気に入るんじゃないかな?小難しいタイトルがついてて誤解されがちなこの本、ぜんぜん難解じゃありません。どたばた劇。かるーく楽しめる作品です。トルストイは構えちゃうけどね。
主人公のロジオン・ロマーヌヴィチ・ラスコーリニコフ(合ってたかな)はへ理屈が大好きで、なんでも理詰めで考える、ややこしい人。
そんな彼が、ヒロイン(と勝手に思ってる)ソーネチカの限りなく懐の深い愛、有り体な恋愛感情なんかじゃなく、ただ彼に注ぐ愛。物語の最後の方になって、やっとそれに気づいて、彼女の足元に崩れ落ちるラスコーリニコフ・・・この6章(だったかな?)を涙腺がとっても弱い私は何回読み返しても、感涙に咽ぶ・・電車の中で読んでたときは、変な人だと思われただろうな・・行間から後光が差して見えました。
ともかく、そんなラスコーリニコフがうらやましいのです。ソーネチカみたいな人なんか居ないんだよ、っと思うけど、どこかにいるのかも知れませんね。あーあ、あんな人と出会えたら、一生を捧げてもいいなぁ・・・私の理想の女性はソーネチカ・・・馬鹿丸出しかも。
お手軽に大きな感動がほしい、という方に、この作品はお勧めかな。私は今までに6回読み直しました。あぁソーネチカ、精進すれば私にも見つかるかしら・・・?