夜空の連星を見つめて

夜長の季節、昨日の夜、私は夢うつつのときに空を見上げていた。たくさんの星、きらびやかに光る星や、鈍く輝く星、瞬く星・・・
それらの中で私が無意識に眺めていた星・・・小さいながら、ひときわ鋭く輝く二つの連星。ほとんど同じような、フラッシュのように鋭い光を放っている。たぶん、星の一生のごくごく初期のものだろう。その時期の星はあんなふうに輝くんだよなぁ、黒い厚紙を陽にかざして、針で小さな穴を開けたように。・・漆黒の空に、とても大きなエネルギーを秘めたその二つの小さな星たちは、あたりの宇宙を白い閃光で照らしていた。
ふと目をそらしてその左側を見ると、「ぽわっ」と黄色く光る、隣の連星の2倍くらいの大きさの星。あたたかい輝きだった。
満天の星空のなか、私はその小さな空間を眺めていた。星の色温度と見かけの大きさから、その三つの星は遠い宇宙にあるようだった。私は、時代を超えて届くその光をずっと眺めていた・・・・これ以上は記憶していない。

そして今朝目が覚めてその記憶をたどったとき、昨晩は曇り空だったことに気づいた。それでも昨日見た満天の星空は、私の心をたくさん温めてくれた。幻とはとても思えなかったし、思えば何度も見たことのある星空だった。夢現のみじかいひと時、私の心は広大な宇宙をあてもなく彷徨い、私の生命はそのなかの一つの星に存在する。そんなひと時がうれしくて、私はいつも夜空を見上げる。たとえ大雨であっても、雲がかすかな星の光を止めてしまう日でも、そしてこれからもずっと。

子供のころに、こんなことをいわれた事がある。この世に存在するすべての生命は、あの星たちのどれかとつながっているんだよ、と。