空を仰いで

つかの間の日差しがさした夕方に、地べたに寝転がって空を仰いで見た。
高層ビルが自分の足もとから、空へ向かって落ちてゆく絶壁のように見えた。ああ、私は落ちていったらあの青い空に落ちてゆくのか、そしてあのふわふわした灰色がかったものに受け止められ、包まれるのか。
なんか、そんな気がした。
心がやわらかくなるように思えた。