白いコーヒーカップ その21

「あーおいしかったね。」恵が言う。
「だね。でももうちょっと食べたかったな。」
「まだあるでしょ、お皿。」
「そのはずだけど・・・」
ウェイトレスが私たちのテーブルからラザニアのお皿を下げていった。
「乾杯・・しよ。」
「・・・うん。」恵もなんとなくわかっているみたいだった。
「じゃあ、さっきとは違う何かに乾杯!」と、半分程度ワインの入ったグラスを合わせる。恵はニコニコしながら
「うん、何かにかんぱーい!」とささやいた。
しばらくワインをのんでいたら、結構酔いが回ってきた。高校生二人で1本あけるのは結構大変だったのかもしれないな、とおもいながら私はウェイターに
「すみません、お水、二つお願いします。」と頼む。
「私、お酒強いのかな、いい気分だよ。」と恵。
「おれは、ちょっと酔っちゃったな、ちょっとめろめろ。」
「帰り警官に気をつけろよ。」
「ああ、そうする。」
私たちのテーブルに、水の入ったグラスとリゾットが運ばれてきた。
「ほい、おなかすいてるんでしょ、おいしそうなのが来たよ。」恵がニヤニヤしながら言った。私はまず水をがぶがぶと飲んで
「はーやっと落ち着いたよ。」とため息をついた。
「おいしそうだね。」食欲が戻ってきて、熱々のリゾットをふーふー言いながら食べていた。恵は、半分くらい食べたところで
「私、これくらいでいいわ。あと食べていいよ。」という。私は、自分のお皿を食べたところでまだまだ余裕があったので、
「じゃあ、もらうよ、サンキュ!」といって恵のお皿も平らげた。
「私は甘いものが早く食べたいのよね。」と恵が言う。
「じゃあ、さっそくコーヒーとドルチェを頼もうか。」といって、私は近くのウェイターに注文を告げた。