白いコーヒーカップ その24

私は自宅について、恐る恐るドアを開ける。
「あんた、また遅いじゃないの。・・酔ってる?」目ざとく母親が問い詰めてくる。
「ちょっと、飲んで来たんだ。」
「あの子と、でしょうね?」
「・・・そう、だよ。」
「別の子とだったらひっぱたくところよ、でもお父さん、こんなに酔って高校生なのに何か言ってあげなさいよ。」母親が父のほうを見る。
「いいじゃないか、自分で稼いだ金で飲んでるんだ、悪くない。」と父はめんどくさそうに答える。
「もう。」不満そうな母親だったが、また私のほうを向くと
「で、どんな話になったの?」と興味津々で聞いてくる。
「まだ、なんでもないよ、ただ一緒にレストラン行っただけ。」
「ふーん、そう」
「あと、夏は海にアルバイトに行くことにしたから、その話。」
「そうなの?」母親が驚いたような顔で聞き返す、
「そう。来年は受験とかあるし、ね。楽しそうだから。」と私は今作った作り話ではぐらかす。
「その子も一緒なの?」
「そいつの、ばあちゃんの家なんだってさ。」
母はちょっとほっとした顔で
「じゃあ、行ってらっしゃい。」と言った。
その日は、あれこれ考えていたが、お風呂に入って歯を磨くと、お酒の力で自然と眠くなった。明日は土曜日だ、起きなくてもいい・・目覚ましをセットせずに私はするすると眠りに引き込まれていった。