最新医療とひとの尊厳

私の好きなドラマ「Dr.コトー診療所」の主人公の台詞で、こんなのがある。
「医者として、目の前で消えかかっている命を見過ごすことはできません。」
私は、この台詞に疑問を覚える。
人の命は、たとえば「〜〜円くれたら殺していいよ」と言っても通用しないとするのが法律だ。(「〜〜円くれたら叩いていいよ」はOK)つまり、「何物にも代えることができない、守られるべき法益」と判例は言っている。またそれはなんとしても守り通さなければならないものだということだ。
私は以前ならこのような意見に疑問を挟むことはなかったと思う。第三者として。
しかし、いざ自分の身に降りかかった高次脳機能障害をきっかけに考えるようになった。
「どこまで人間が神様の判断に口をはさめるか。」
高次脳機能障害は、後遺症としては軽いものかもしれない。だが、もっとダメージが大きくて、人為的に生かされている人、生きていく手段のない人がたくさんいる。管がたくさんついていて、やっと心臓が動いている、稼ぐ手段がない・・
ここで私は、命と同じようにかけがえのないものとして、ひとの尊厳、というものを考える。果たして命はどこまで守るべきなのか、尊厳を減らして。尊厳はどこまで守られるべきなのか、命を短くして。
そんなことを思うようになりました。どうなんでしょうね。