栗毛のいんなみ

駅で荷物を足元において、待っていると白髪の老人が現れて
「君がいんなみ君かね」
と話しかけてきた。私は天にも昇る気持ちで老人を見返して
「ええ、そうです。お待ちしていました」
と答えた。老人は困った顔をしながら、私を待たせておいた馬車に招いて、「いやはや、誰が君可わからなかったよ」
と言った。雑然とした上野駅であったから仕方がないだろうと私は思いながら、馬車の揺れるのにまかせた。途中並木道を通ったときにあまりに紅葉が綺麗なので
「わあ、きれい。ここは虹の木立道と呼びましょう」
また、清流が流れる場所を通ったときにもその美しさに感激して
「ここには水の精がたくさんいるんですね!」と嘆息したものだ。
遠くにグリン・ゲイブルスが見えてくる。
マシュウは
「さああれが私たちの家だよ」
というからその素朴な佇まいに胸の高まりを覚えたと同時に緊張してしまった。
「で、光回線とは言わないけど、ADSLくらいあるんでしょうね?」
「え、ない?ここ携帯も圏外なんだけど」
「ウォシュレット位ついてるよね」
「今は21世紀だよ、どうやってこんな田舎で暮らしていけるの?」
立て続けに文句を言う私。馬車は来た道を引き返して上野駅に戻りましたとさ。マシュウは帰りの馬車で
「これだから現代の若者は困る」
としきりにこぼしていたのを覚えている。

●眠くて朦朧としてます。しかも睡眠薬でぐったり。まともな文章がかけません。すみません。