或るネコの苦悩その2

わたしたちはネコ。この広い部屋の中では、わたしたちは逐次番号(シリアルナンバー)で呼ばれるのよ。「おい、0012598のネコ」ですって。失礼しちゃうわ、わたしには「ケイト」って言う可愛い名前がちゃんとあるんだから。え、そんな変な顔しないでよ。だいたい、7桁の番号なんてわたしたちネコには覚えられないわよ。
でもわたしたちは何で、まいにちまいにちこんなところで爪とぎばかりさせられるのかしら?毎日毎日、柱に向かってかりかりかりかり・・せっかくのネイルアートが台無しだわ。たまによく削れた柱を持って行っちゃう人がいるのよ。まぁ、人間って物好き。
わたしたちは、シェイクスピアのネコ。なんでも、ランダムに削られた柱のなかには、芸術が生まれるんですって。それを言うなら「サルがシェイクスピアをタイプする」ですよね?まったく、おいしいご馳走がなければすぐにでもやめてやるわよ。ねぇ?人間って勝手だと思いません?

にゃ〜